Column お役立ちコラム

喧嘩両成敗? あおり運転は
やり返してはいけない訳 筆者:高根 英幸

今年6月末に道路交通法が改正され、あおり運転は妨害運転罪として厳罰化されたにも関わらず、全国各地であおり運転により検挙されるケースが相次いでいます。注目を集める話題性の高い事件であることから、ニュースとして取り上げられているのですが、見方を変えると危険なドライバーが存在しているというだけでなく、前時代的な考えのまま運転している方がいることを示しているのです。

日本も監視社会になり、これまでとは認識を新たにしなければならないということは、これまでもこのコラムでもお伝えしてきました。しかしながら従来と同じ感覚で振る舞うことで、検挙され報道されてしまっているのです。

以前は現行犯でなければ立件が難しいものが多く、取り締まりを受けると「運が悪かった」という感情を抱きがちで、罪の意識や反省を促す効果はあまり無かったというのが、これまでの交通違反のもつ性質の一つでした。

しかし交通事故や事件などの解決に防犯カメラやドライブレコーダー、スマートフォンの画像などが活用され、効果を発揮している現在、法を犯すどころかマナー違反でさえSNSで晒され拡散、炎上することが珍しくありません。それがマスコミに伝わることで全国的に話題となってしまいがちです。そうなると地元警察も取り締まりに動かない訳にいかず、検挙されることにつながっているのでしょう。

さて表題は先日、ニュースで報道され話題となったあおり運転による交通事故で、双方のドライバーが妨害運転罪で検挙されることになったことを取り上げたものです。

これは、あおり運転をされて頭に血が上ったドライバーが、自分からもあおり運転をしたあげくに、クルマを接触させて交通事故を起こしてしまいました。その結果、事故を起こしたドライバーと、最初にあおり運転をしたドライバーの両方が、妨害運転罪で罰せられることになったのです。

ドライブレコーダーの普及によって交通事故に遭った際、自らの過失の少なさを立証する重要な証拠となる武器となる反面、自分の運転も記録されているということに気付く必要があります。

交通事故であれば、どちらの過失が大きいかによって、賠償額が変わってくることはあります。しかし事故に至らない場合でも妨害運転罪が制定されたことにより、相手の方が先にあおり運転などをしてきたとしても、自分も同じようにあおり運転を行なえば、今回のように両者が処罰されることも、つまり免許取り消しになる可能性があるのです。

その場面だけで判断すれば、どちらが問題のあるドライバーかという見方もできますが、同じ行為で反撃すれば「どちらも危険なドライバー」として世間には認識されてしまうことになります。つまり交通事故や、あおり運転対策には「ドライブレコーダーを装着したから安心」というのでは、いささか安易な考えだと言う事ができるでしょう。

自分の運転に潜んでいるリスクに気付けるかが、これからはさらに重要になります。客観的に自分の運転を見ることは、その第一歩として大事なプロセスとなるものです。コロナ禍により運転の機会が増えてきたのであれば、なおさら必要な作業ではないでしょうか。

パートナーの方やご友人に助手席から、運転操作をスマホで撮影してもらうだけでも、自分の運転をある程度確認できるでしょう。

弊社の「ドライビングフィットネス for Senior」は、運転中の危険性を見つけるだけでなく、これからも元気に快適な運転を楽しんでいただくための対策をご提案させていただいています。これからのご自身の運転にどれだけの価値があるか、考えていただくためにもお役に立つと言えるものです。

私は、うっかりミスで失ったゴールド免許を取り戻すべく、現在8年間の無事故無違反を継続中で、あと半年あまりで3度目のゴールド免許を取得できる予定です。そのために常に自分の運転を客観的にチェックし、さらに上質な運転、運転を楽しむための工夫を取り入れています。

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