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営業車用商用車の安全装備が急速に充実しています!

2018/04/13

「ぶつからないクルマ」のキャッチコピーに代表される自動ブレーキ。ドライバーの不注意でブレーキ操作が遅れた場合や突然のにクルマが衝突の危険を察知すると、自動的にブレーキをかけてくれる装置は、衝突事故を減らしてくれる先進運転支援システムの一種です。

このハイテクな装備は乗用車に限った話で、自分の会社の社用車には関係ない話題と思っていた方も多いのではないでしょうか?昨年後半からこの自動ブレーキの装着率が商用車の間でも高まってきました。1BOX車では日産キャラバンNV350に続いて、トヨタ・ハイエース/レジアスエースのバンにも自動ブレーキが搭載され、軽バンでもダイハツ・ハイゼットやスズキ・エブリィの一部グレードに採用されるようになっています。これらは自動ブレーキだけでなく、誤発進抑制機能や走行中の安定性を高める横滑り防止装置なども搭載されました。

クルマを入れ替える際には様々な装備の有無などは気にされるでしょうが、自動ブレーキに関しては特にその内容には違いがあることに注意していただきたいのです。まずは採用している自動ブレーキに利用しているセンサーの違いによって、カバーできる領域が異なることをご存知でしょうか。

携帯電話やデジタルカメラと同じ、カメラを使って前方のクルマや歩行者、障害物などを検知するカメラ方式は、画像認識技術の進歩で、様々な物体を認識する能力に優れています。2つのカメラを使うことで画像のズレから距離を算出するステレオカメラ方式は、人間の目と同じ仕組みです。ただし霧や大雨、雪などの悪天候では視界を遮られてしまうため、機能しなくなってしまうという弱点があります。

レーダー方式は、ミリ波という周波数帯の電波を発射して、物体から跳ね返って来た時の時間と周波数の変化から距離と相対速度を算出する仕組みです。200m以上も先まで物体を検知できますが、装置が大きくて高価なのが難点です。

レーザー方式は近赤外線のビーム光をレーザーセンサー発射して、その反射を検知することで距離と相対速度を算出します。レーダーと仕組みは似ていますがコストが安いというメリットがあります。ただし検知できる距離はレーダーより短く、現在は30mから50m程度までと言われています。可視光ではありませんが、光の一種なので実はこれも悪天候には弱いという特性があります。

2017年12月1日のマイナーチェンジでミリ波レーダーとカメラを用いた自動ブレーキを含む先進安全装備を備えるようになったトヨタ・ハイエース。

現在はコストと性能の安定ぶりからカメラとレーザーセンサーを併用する方式が主流となっていますが、この中でも制御するソフトウェアやコンピュータなどによって、反応する速さや制御のスムーズさ、動作する条件などの性能には車種によって大きな差があるのです。

クルマを購入、あるいはリース契約する際には、搭載している自動ブレーキがどういう作動範囲であるのか確認して、自分たちの使い方に利用できる、役に立つ装備か確認した上で選択する必要があります。

自動ブレーキが登場して、急速に搭載車両の普及率が高まっているのと同じように、各センサーも日進月歩の勢いで進化しています。つまり、これまでレーダーでは不得意としていた領域をレーダーだけで解決する技術、レーザーだけでもカバーする領域の拡大、カメラが抱えている課題を解決できるソフトウェアが次々に開発されています。

私たちは自動ブレーキの体感試乗会にも幾度も参加していますが、現状で100%の作動率を保証するものではないことは確認しています。つまりほぼ同じ条件でも、自動ブレーキが作動する場合としない場合があり、その差は非常に微妙なものとなっているのです。

どちらにせよ衝突事故を起こしてしまうと余程のことがない限り、その責任はドライバーに掛かってきます。少し理不尽な気もしますが、それが現在の法規制であり、先進運転支援システムの限界なのです。

また、自動ブレーキを装備しているからと、ドライバーが油断して運転に対する気持ちが緩んでしまうと、交通事故を減らすことにはつながりません。エアバッグが普及した時と同様、ドライバーがクルマの安全装備を過信してしまうと交通事故は減らないのです。

ご存知のように交通事故による死亡者数は劇的に減少しているのですが、実は交通事故の発生件数は死亡者数がピークだった昭和40年代と比べると、ほとんど減っていません。交通量が増えたことによって、交通事故は平成に入ってから増加傾向にあったものの、ここ10年くらいは減少傾向にありますが、依然として事故の発生件数は年間50万件近くもあるのです。

ドライバーの運転ミスをフォローしてくれる自動ブレーキは、これからも進歩、改善されていくことでしょう。その内容を見極めつつ、社員と社用車の環境改善のお役に立てるよう、私たちも精進してまいります。

著者:高根 英幸