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あおり運転が急増している? その原因と対策

2018/05/29

最近、報道などで目にする機会が増えたと感じているのが、「あおり運転」などの危険運転による交通トラブルではないでしょうか。

あおり運転は、前方のクルマに接近してクルマを左右に揺らして、車速を上げたり進路を譲ることを迫るものです。前方に回り込んで車速を落としたり、横に並んで幅寄せする行為と同様、クルマを使って相手のドライバーを威嚇する行為で、とても運転と言えるものではありません。

ちなみに歩行者や自転車、オートバイなどに幅寄せ行為などを行なうと暴行罪が適用されることがあります。たとえ接触していなくても、金属バットを振り回しているのと同じで非常に危険な行為だからです。あおり運転についても社会問題化している現在、悪質と認められれば暴行罪で逮捕される可能性も出てきました。

このあおり運転などをしてしまうのには、心理学で言う「ドレス効果」が影響しています。「ドレス効果」というのは、人は普段着を着ている時とドレスを着ている時には立ち振る舞いが自然と変わってしまうことを言い表したものです。

ハンドルを握ると性格が変わる、と言われているドライバーは、このドレス効果に操られてしまっている傾向が強い、ということになります。

そもそも粗暴な性格の方もいるでしょうから、すべてのドライバーがドレス効果によって運転が荒っぽくなっているとは言い切れませんが(粗暴な人はいっそう荒っぽくなる?)、クルマによって自分が守られ力を得たことで外部に対して、強気の態度を取ってしまうのはドレス効果による仕業が大きいのです。

このところ厳つい顔つきのミニバンや軽自動車が増えているのは、そんなドレス効果に深層心理で惹き付けられるユーザーを取り込もうという自動車メーカーの策略の1つでもあると、言えるでしょう。

さて、ここからが本題です。では、あおり運転などの交通トラブルから身を守るには、どうすればいいのでしょうか。

このところドライブレコーダーを装着するドライバーが増え、後方を同時に録画する機種も増えてきました。このドライブレコーダーを利用するのは、あおり運転によるトラブルを防ぐためにも有効です。

ただし、ドライブレコーダーを装備するだけでなく、後続のドライバーにそれをアピールすることが大事です。「接近注意! 後方画像録画中」などと書かれたステッカーを後方のドライバーが見える位置に貼っておくことで、煽っているつもりなどないドライバーでも、撮影されていると分かれば車間距離を空けてくれるでしょう。

後方カメラ付きで前後視界を同時に録画できるドライブレコーダー。パネル上部の「後方カメラ録画中」のステッカーも付属している。

では前走車が危険なドライバーだった場合には、どうするべきか? ドライブレコーダーを装備しているのは、バックミラーからではなかなか分かりません。危ない運転のドライバーだな、と思ったら、進路を変更するなど、そのクルマから離れることが大事です。これは私たちが提唱する「防御運転」の1つの例です。

そして自分がトラブルの原因になりかねないことにも注意しておく必要があります。急いでいると、ついつい車間距離を詰めてしまいがちになります。これが、先行車のドライバーに「煽っている」と勘違いされてトラブルになってしまう原因になる可能性もあるのです。

介護施設の送迎車など、ゆっくり走らなければならないクルマの場合、急いでいる後続のドライバーから煽られることもあるかも知れません。そんな状況を改善できる方法があります。

それはリアゲートに介護関係の企業であることを示すと共に「日本を支えてきた方達をお乗せしています。申し訳ありませんが、ゆっくりゆっくり走ります」といったようなメッセージを表示することです。前走車の事情が分かれば、気持ちにも余裕が出てあおり運転をするドライバーは確実に減るでしょう。同時に企業イメージの向上にも役立つハズです。

このところ自動車メーカーがモーターショーなどで発表する自動運転のコンセプトカーは、クルマの前後にメッセージやクルマの表情、感情を表示するような機能が盛り込まれている例が増えています。これは歩行者や自転車などとコミュニケーションを取ることで人とクルマのつながりを深め、ドライバーと歩行者との関係をより良好なものとするのが狙いのようです。

これから先、クルマはより人々の生活に密着したサービスへと変化していく可能性が高まってきました。仕事でクルマを運転する方は、より丁寧で確実な運転が求められる時代になっていくでしょう。

著者:高根 英幸