「もう運転が怖くなった…」
後悔する前に運転を見直す大事さ 筆者:高根 英幸
高齢ドライバーの運転操作ミスによる交通事故が今年も続発しています。ペダル踏み間違いによる事故は高齢ドライバーに限ったことではありませんが、重大事故につながる確率は高齢ドライバーの方が圧倒的に高いことがデータによって裏付けられています。
どうして高齢ドライバーは、ペダル踏み間違いなどの運転操作ミスが重大事故につながりやすいのでしょうか。それは加齢によって認知機能と身体能力、判断力が衰えてくることが避けられないからです。
判断能力については、瞬間的な判断のスピードこそ衰えるとしても、それまでの経験値から即座に正しい判断ができることもあるかも知れません。しかし、そんな能力の衰えよりも問題なのは、自分が衰えてきていることを認められない気持ちの方なのではないでしょうか。
それは自分の都合を優先してしまうという、人間の弱い部分なのかも知れません。クルマを運転すれば、いつでも好きなところへ移動できる。そんな移動の自由を取り上げられてしまうのは、誰だって避けたいものです。
けれども、そうした甘い判断によって重大な交通事故を起こしてしまったとしたら、どうでしょう。
タイトルの「もう運転するのが怖くなった…」というのは今年1月、交通事故を起こした高齢ドライバーが発した言葉として、記事で取り上げられていたものです。こうした思いをして後悔しても、取り返しがつかないことをしてしまったことは変えられません。
「そろそろ運転やめなきゃ…」と、近所の方と話していたという高齢ドライバーも、人身事故を起こした中にはいました。自覚していてもなかなか踏ん切りがつかないのは、前述のようにクルマを運転して移動する自由さを手放したくはないからで、どこか他人事のように思っている、他人事だと思いたいのではないでしょうか。
そんな心情の高齢ドライバーに免許返納を迫るのは、さらに追い打ちを掛けるだけで、心を閉ざして頑なになってしまうのも無理はありません。
しかしながら、事故を起こさないか心配しているご家族も、相当な数の方がいらっしゃると推察されます。
焦らずに気長にじっくりと腰を据えて話し合うこと、特にクルマは事故を起こせば他人を傷付けてしまう可能性が高い機械であることを説いて、免許を持っているから運転しても良い訳ではないことを理解してもらうのは、大変なことでしょう。
クルマは便利な乗り物ですが、それだけに責任と危険が伴う機械でもあります。機械を正確に操作するためには、加齢による能力の低下に対し、何らかの手段で対策する必要があるのです。
まずは自覚していただくことが、その第一歩となることになることも珍しくありません。ご自身の運転操作、取り分けペダル操作を確認していただくことで、運転の危険性を自覚するきっかけになるのです。
弊社が開発したマルチカメラシステムは、足先の力加減や動きの確実さ、スムーズさなども簡単に判断することができます。自分で思っている以上に、運転操作が危ういことに気付くのに役立ちます。
その上で、運動などで運転能力を取り戻してもらう努力をするのか、免許を返納するのか判断されてはいかがでしょうか。そして返納するのであれば、その後の移動手段をどう確保するか、ご家族で相談していく必要が出てきます。
運転免許を返納すれば済む問題ではなく、その後の生活をどう充実させていくかが大事なことで、そこに解決の糸口があるのです。弊社のドライビングフィットネスでは、運転能力を維持するためのアドバイスだけでなく、お客様の環境に適した移動の手段やライフスタイルまでご提案できます。
これまでのクルマの使い方を続けることに不安を感じてらっしゃるご家族の方は、ぜひお気軽にご相談下さい。